あまり知られていないと思われますが、日本語版の金銀はそれぞれに初期版と後期版が存在します*1。
見分け方
カートリッジのラベルの右下には「22」や「00A」といった刻印が刻まれています。この刻印が数字のみであれば初期版、数字+英字であれば後期版となります。
初期版と後期版の違い
私が把握している限りでは、以下の1点のみです。なお、この変更による影響は次のセクションを参照してください。
23:501Cからはじまるサブルーチン*2において、アドレスC5BCh*3の値をインクリメントする処理があります*4。後期版ではインクリメント後の値が00hになった場合、もう1回インクリメントして01hにする処理が加わっています。この影響により、バンク23hの内容はこのサブルーチン以降5バイトずれます。
処理の変更による影響
処理の変更そのものによる影響
スロットでソフトロックが発生する(初期版のみ)
pokegoldのコードを斜め読みした感じだと
— junin (@junin_x10) 2024年5月24日
・ゴローニャ演出が発生したらゴローニャ落下数に関係なく+1
・ラッキー演出が発生したら+1
・ラッキー演出中のタマゴばくだん1回につき+1
・1回のスロット中に+256になったらソフトロック?
※いろいろ把握できてないので推測です
※全く検証してません
ゴローニャ 203
— junin (@junin_x10) 2024年5月24日
ラッキー 6
タマゴ 46(1, 5, 13, 11, 5, 11)
計 255
推定初期版の金、スロット演出のカウント+256でソフトロック発生
6回目のラッキーが11個タマゴばくだんを投げて固まる(おそらくアニメ再生完了を待ち続けている)
ソフトリセットは可能だった
文献: 上から順に[1][2]
タイトル画面の演出
それで、今銀版でタイトル画面で放置していたら、初期版ではルギアからでている●が、wSpriteAnimCountが00hになるタイミングで途切れることがわかりました(後期版だと途切れない)。
— まへっち@ポケモン (@mahetti_poke) 2024年5月24日
金版でも同じかもしれませんが、こちらはもともと途切れる場面があるので判断が難しそうです。
文献: [3]
アドレスがずれたことによる影響
ポケモンのアニメーションを使った任意コード実行(初期版のみ)
通常プレイに関しては分かりませんが、ポケモンのアニメーションを使った任意コード実行が初期版のみ可能みたいな話があるようですhttps://t.co/EwOo878jKf
— flag3 (@flag3833753) 2024年5月21日
文献: [4]
参考文献
[1] junin、X(旧Twitter)、https://x.com/junin_x10/status/1794032636970819781、2024年6月7日閲覧。
[2] junin、X(旧Twitter)、https://x.com/junin_x10/status/1794133605779910760、2024年6月7日閲覧。
[3] まへっち、X(旧Twitter)、https://x.com/mahetti_poke/status/1793981059690082601、2024年6月7日閲覧。
[4] flag3・TimoVM、X(旧Twitter)、https://x.com/flag3833753/status/1792912703570272683、2024年6月7日閲覧。
更新履歴
- 2024年5月21日
- 公開
- 2024年5月22日
- 不明な点が処理の変更そのものであることを明記
- 2024年6月7日
- 処理の変更による影響を追加(アドレスのずれによるものを含む)